>
株式会社東芝

2020.10.29

キャリア人材から障がい者まで多様な社員のコンディションを把握、活躍社員の傾向を把握することで次の採用戦略にも活かす

株式会社東芝

メーカー/従業員数125,648名(連結)

舟本 香奈子様

TOPICS

  • 「採用して終わり」ではなく一貫した人事戦略のために
  • 今までは掴めていなかった現場の課題・問題や入社者の考えを知る
  • HR OnBoardで得た情報を採用のマッチング向上に活かす

「社会インフラ」「エネルギー」「電子デバイス」「デジタルソリューション」を注力事業領域として、多くの製品・サービスをグローバルに提供している株式会社東芝。同社ではキャリア採用の担当者が採用後の入社者のコンディションや活躍状況を把握できないという課題がありました。

そこで1年ほど前からキャリア採用・障がい者採用の入社者を対象にHR OnBoardを導入、最近は外国人採用にも活用しています。運用方法や導入成果について採用担当の舟本さんにお話を伺いました。

「採用して終わり」ではなく一貫した人事戦略のために

HR OnBoardを導入したきっかけを教えてください

舟本さん:弊社では現在、キャリア採用において自社採用力の強化を目的に、ダイレクト・リクルーティングを積極的に推進しています。人材紹介比率を下げ、採用コストを削減することも狙いの一つです。これは弊社にとって新しい採用手法へのチャレンジですが、採用チャネルが多様化する一方、どのチャネルが最も欲しい人材にリーチできるのか、また、入社した社員が本当に活躍できているのか、仮説検証を丁寧に行なう必要があると感じていました。

そこでHR OnBoardを使うことで、これまで把握できていなかった入社者の活躍状況や入社後のコンディション変化が分かるのではないかと考えました。今までのキャリア採用では入社後、社員と採用担当が直接接点を持つことはなく、入社後の活躍状況を知るには人事評価などの社内情報から掴む必要がありました。しかし、弊社のような大規模な会社ですと、事業や拠点単位にいる人事担当が、人材育成・活用、評価・査定など担当していることもあり、なかなか必要な情報を得ることができない状況でした。

入社した後の様子が分からないままだと、自分たちの採用手法が正しいのかどうか判断ができないですよね。「採用して終わり」ではなく入社後に活躍してくれることが何より大切です。採用から入社後まで一貫した人事戦略が必要だと考え、HR OnBoardの導入を決定しました。

株式会社東芝

今までは掴めていなかった現場の課題・問題や入社者の考えを知る

入社者の皆さんにはHR OnBoardをどのように説明されていますか?

舟本さん:入社者には事前に入社後の活躍支援を目的としたツールであることを説明し、同意を得てから運用を開始するようにしています。具体的には、「入社後の皆さんの活躍を支援するためのアンケートであること」「人事担当とのコミュニケーションツールであること」という2点を説明しています。

アンケート回答した社員にはどのように対応していますか?

舟本さん:アンケート回答後は、まず入社者のコンディションに大きな変化はないかを確認します。前月までが「晴れマーク」だったのに、突然「雨マーク」に変わった人などには対応をするように心がけています。また、フリーコメント欄に気になる内容が書かれている人にも対応するようにしています。

これらの要対応者に対して、まずはメールでコミュニケーションを取っています。入社直後のある社員が上司とのコミュニケーションに関する不安をコメントに記入したことがありましたが、本人の了承をとって私から上司にアプローチしたことで、大きな問題にならず改善できたこともありました。

HR OnBoard導入初年度の感想はいかがですか?

舟本さん:2つあります。まず1つ目は、HR OnBoardで見えてくる入社者の心理コンディションと配属先の職場・組織が抱えている課題が、何らかの形でリンクしていることが多いのだとわかりました。HR OnBoardを利用することで職場・組織の改善に向けた課題抽出にもつながるという期待を感じました。

2つ目は、キャリア採用で入社した社員ならではの「外からの視点による意見」を把握しやすくなったと感じています。ずっと長く東芝で働いている社員が気づかない課題にも敏感に気づいてくれて、それがHR OnBoardのアンケートで把握できるのは本当に有難いことです。実際にアンケートで頂いた意見を元に、改善に向けたアクションが進んでいるケースもあります。そういったことの積み重ねが、職場の風土改善や働きやすさにもつながると考えています。

全社導入された「1on1」にもHR OnBoardが役立ったと伺いました

舟本さん:2020年4月に人事制度改定があり、評価制度の見直しの中で上司と部下の「1on1」の取り組みが導入されました。入社直後の社員とは特に丁寧に「1on1」を実施してほしいと考え、そこでHR OnBoardで得られた「入社〇ヶ月目には~~で悩む方が多い」といった社員の傾向とそれに対する対策方法を上司に共有したところ好評でした。このように人事制度と掛け合わせてHR OnBoardを活用することで、相乗効果のある質の高いフォローが出来ていると思います。

株式会社東芝

HR OnBoardで得た情報を採用のマッチング向上に活かす

HR OnBoardに今後期待することはありますか?

舟本さん:障がい者採用での活用にも期待しています。障がい者採用においては、働く環境の整備や、その社員の適性・能力に応じた適切なジョブアサインをより丁寧に行なっていく必要があります。幸いなことに弊社では障がい者の方の入社後の立ち上がりはとても良く、HR OnBoardでもあまり目立った不調は出ていません。また、弊社がHR OnBoardを導入してから半年を過ぎた頃、コロナ禍におけるリモートワークが社内で積極的に推奨されるようになりました。

特に障がいを持った社員に対しては、職場とのコミュニケーション面などで不安が大きかったのですが、毎月のHR OnBoardアンケート結果から、状況を確認することができます。例えば聴覚障がいを持った社員にとっては、それまで音声から得られる情報が限定的だったことに対し、リモートワークではメンバーとのコミュニケーションの多くがメールやチャットになったことで、情報保障にもなっているという一面にも気づかされました。

しかし、障害者職業総合センターが2017年に実施した調査では、障がいをお持ちの方の入社1年以内離職率は約3割という結果も出ています(※)。より良いマッチングを行なうためにも最初の1年間の周囲とのコミュニケーションや働き方が重要だと思いますので、その点でもHR OnBoardに期待しています。
(※出典:障害者職業総合センター 「調査研究報告書No.137」)

最後にまだオンボ―ドを使われていない企業様へのおすすめポイントがあれば教えてください!

舟本さん:まず1つは、課題が可視化され改善のアクションに繋げられることです。今まで把握が難しかった入社後の現場の様子を確認できることで課題が見えてきます。課題の発見から改善が出来る、PDCAサイクルを回すきっかけにもなると思いました。ここで得られた情報は様々な人事戦略や採用戦略に活かすことができると思います。

2つ目は、活躍人材の採用に活かせることです。少子高齢化やグローバル化が進む中、これからの社会は新卒を前提としたClosedなコミュニティではなく、メンバーの出入りが活発なOpenなコミュニティへシフトしていくものと思われます。従来よりも人材の流動性が高まり、一人ひとりが自主的なキャリア形成をしていく時代になった時、企業の採用担当としては、社員の入社後のコンディション変化やパフォーマンスをリアルタイムに把握・分析し、活躍人材を見極め、次の採用に活かすという動きが重要になってくると考えています。入社後の様子が可視化されるHR OnBoardを使うことで、採用のマッチング向上を実現するだけでなく、社員の活躍を支援する、それをもって採用が成功したと言えると思います。

株式会社東芝

舟本さん、本日はありがとうございました!